柏崎マリーナ > 釣果情報 > スタッフブログ > 日記 > ■船の受け入れ準備作業

■船の受け入れ準備作業

投稿日:

 

 

マリーナで新規に船の受け入れをする際、利用される方がスムーズに利用を開始できるよう受け入れまでには割と様々な準備があったりします。

 

おもなものとしては、申請の手続きに必要な書類の準備、船台の調整、エンジンやドライブの点検・整備などですが、その他にも船の搬入日に合わせてクレーンの手配や吊具の準備など、こまごまとした段取りをしておかなければなりません。

 

特に、海上係留艇が入って来る場合には、上記の準備に加えて海底から係留用のチェーンを取るための潜水作業をしなければなりません。

 

 

現在マリーナには潜水士の資格を持ったダイバーが3名おりますが、今回は私が作業を担当いたしました。

 

マリーナでの潜水作業は水深が浅いとはいえ、1度の作業で1時間以上連続して潜ることもあるため、定期的に潜っていないといざという時に安全・確実に作業が行えなくなってしまいますので、作業内容にもよりますが各ダイバーが毎回交代で作業を行っています。

 

 

 

【昨日の潜水作業のようす】

 

普段水中での作業がどのように行われているか、みなさんもあまりご存じないと思いますので、この機会に作業のほんの一部分をご紹介できればと思い、カメラを持って水中撮影をしてきました。

(本職の方には笑われてしまうかもしれませんが…。)

 

P4140005_R P4140003_R

■作業開始の時はご覧のように桟橋から海面に飛び込んで入水しています。

 

 

 

この時期は水温が低いため、インナーを重ね着してその上からドライスーツを着用して潜水しています。

 

潜水する以上、体が沈まなければ仕事になりませんので、浮力が増した分は腰や足首などに10㎏前後のウェイトを付け浮力を抑えます。そのほか、空気タンクやレギュレーターなど様々な装備を身に着けますので、総重量では40㎏近くを背負うことになります。

 

そんな状況ですので陸上ではただただ息苦しく、少しでも無駄に動くとひたすら消耗する一方の体力勝負の仕事です。

 

P4140001_R

 

そして仮に入水前に陸上が晴れていて、ドライスーツを着たままでは汗をかくほど暑くても、決してインナーを薄着に着替えることはありません。

 

なぜなら、一旦海中に入ってしまえば、地上よりも温度が5度から10度も低いため、汗はすぐに引き、30分も経過すれば顔と手足の感覚は麻痺し、次第に足がつるほど寒くなってくるからです・・・。

 

 

それでも作業に没頭していると呼吸をするのも忘れ、あっという間に1時間が経過してしまいます。

 

P4140053_R

 

実は潜水中は高圧空気を吸っている関係上、意識的に深く大きい呼吸を続けていなければなりません。

 

ところが困ったことに、『工具で力一杯シャックルを締めたり、ロープを縛ったりするとき』などは呼吸を止めないとどうしても力が入らないため、その時だけはしばらく呼吸を止めて作業を行います。

 

そしてそれが頻繁に続くと脳が酸欠状態となり、作業終了後はしばらく頭痛や倦怠感が続きますので、その後の他の業務ではほぼ使い物になりません。ですから、大抵は平日の午後遅くから潜ることが多いです。

 

P4140056_R

■作業終了後は、疲労と酸欠状態で戻る足取りもおぼつきません。

 

 

 

さて、実際の作業内容についてですが、桟橋に係留する船は前後左右からロープを取っている関係上、桟橋上からだけではなく、海底からもロープを取らなければなりません。

 

そして海底からロープを取る以上は、隣に保管している船や後ろを航行する船がロープに引っかからないようにするために海底のアンカーから太めのチェーンを取り、その重みでロープを沈めるように設置しなければなりません。

 

P4140012_R P4140021_R

 

 

上の写真が、各桟橋の支柱の付け根付近にある四角い枡型の切込みです。

普段この切込みには泥・砂・貝殻などが堆積しているため、チェーンを取り付けるための金具である「アイ」が埋まった状態になっています。

そのため、手で堆積物を仰ぐようにして払い除いてから新しいチェーンをアイに通しています。

 

 

P4140013_R

■手で海底を仰ぐと塵や泥などが舞い上がり、視界はすぐにこんな状態になります。

文字通り『一寸先』は何も見えませんが、視界が晴れるまで海中で待機している余裕はありませんので、後は経験による手探りで作業を続行します。

 

P4140044_R P4140027_R

■新しいチェーンをアイに通し、シャックルでつなぎ終えるとこんな感じになります。ちなみにチェーンは「ドブ漬けの亜鉛メッキ仕様」のものを使っていますが、4~5年もすると腐食して使い物にならなくなりますので、そうなる前に新しいチェーンに入れ替えています。

海上係留艇は、このチェーンが強風の際の命綱となりますので、定期的な交換が必須となります。

 

 

 

 

潜水作業をする際は、安全管理上、必ず陸上に「連絡員」と呼ばれる作業員を置くことが法律で義務付けられています。

 

マリーナでの連絡員のおもな仕事は、作業で使う材料の準備から始まり、図面通りに作業が進んでいるかをダイバーに指示しながら古いロープやチェーンを回収し、作業が終わったらダイバーが陸上へ上がる手助けをして、最後に現場の後片付けを行うといった感じで、結構忙しく動き回らなければなりません。

 

そういった意味でも潜っているダイバーの安全と作業の能率を左右するのは、陸上にいる連絡員次第とも言えるでしょう。

 

P4140039_R

■冷たい冬の海で一人孤独に海中で作業をしていると、陸上で見守るスタッフの存在のありがたみが身に沁みます。

 

 

P4140042_R P4140014_R

■海底で新しいチェーンの設置が完了し、陸上の連絡員がロープを張ったときに問題がなければ作業完了となります。皆様の大切な船の命綱となるものですので、1か所づつ確実に作業を行っていきます。

 

P4140011_R P4140036_R

■この時期、海底にはご覧のようにナマコが這いつくばって泥を口に入れて栄養分を濾し取っています。

それを見ていると、泥や砂にまみれて作業をしている自分とついつい重ね合わせてしまいます。

 

P4140050_R P4140049_R

■海底に浸かっているロープには様々な種類の海藻や貝類が付着しており、それらは使わなくなったロープを回収する連絡員の両腕にずしりと重くのしかかります。

 

 

 

 

P4140058_R

 

P4140060_R P4140061_R

■回収した古いロープやチェーンです。 チェーンは腐食が進んでおり、かなり痩せていました。

付着している海藻やロープからは、そこで生活していたゴカイやエビ、カニなどの生物がたくさん這い出てきます。

 

 

 

 

 

話は少し変わりますが、下の写真は潜水作業中に海面に浮上した時に見える景色です。

 

この時期は比較的潮位が低いことが多いため、万が一落水した場合に落水者から見える景色はおそらくこれと同じだと思います。 

 

P4140041_R

 

先ごろ、小型船舶操縦者法で「暴露甲板上(デッキ上)でのすべての乗船者のライフジャケットの着用が義務化」され、平成30年2月から法律が施行されることとなりました。

 

それに伴って平成34年2月からは、違反した船長には違反点数2点が課され、再教育講習を受けなければならなくなります。さらに違反点数が5点以上となると免許停止の対象となります。

 

プレジャーボートの海難事故は年々増加しており、特にライフジャケット未着用での落水による死亡事故が後を絶たない状況です。

※国土交通省の統計では、ライフジャケットを着用した場合、着用しなかった場合に比べて生存率が2倍以上になるとのことです。

 

これらの法整備は事故を減らすためにも致し方ないことだと思います。

 

 

P4140007_R

 

仮にライフジャケットを着用していたとしても、実際に落水した経験のある方はお分かりだと思いますが、上の写真のような状態から桟橋や船上に自力で上がることは至難の業です。 

船であればラダーステップなどの梯子の類が装備されていれば何とか船上に上がることはできるかもしれませんが、付いていなければ最悪は潮に流され船から離れて単独で漂流することになってしまいます。

 

一方、マリーナなどの港内で落水した場合でも、近くに救命梯子があることが分からないと無駄に体力だけを消耗し、力尽きてしまいかねませんので、マリーナ港内のどの位置に救命梯子があるのかを事前に把握しておいてください。(「救命タラップ位置図」をマリーナ正面入り口脇の屋外掲示板に掲示してあります。)

 

また、今の時期だとこの辺の海水温度は10度ちょっと位しかありませんので、落水すればあっという間に低体温症となり、意識不明で溺水となる怖さがあることも肝に銘じておいてください。

 

 

 

 

 

20170415 (1)_R

 ■マリーナの大島桜がようやく開花しました。 上越の高田公園では先週満開となりましたが、残念ながらこの土・日の強風でそのほとんどが散ってしまうことでしょう。

 

 

 

次に出港できそうな日は、17日(月)くらいでその後は再び時化模様となる見込みです。(17日も半日しか持たないかもしれません。)

 

北からは冷たい寒気が南下し、南からは暖かい暖気が北上しており、大気の状態が不安定となっています。

 

この分だと出港はしばらくお預けけとなりそうな雰囲気なので、次回出港までに花見を済ませておくのも良いのではないでしょうか。

 

 

 

 

スタッフ たんどう

コメントを残す

*
  • イベントカレンダー
  • 釣果情報
  • ライブカメラ
  • 風向・風速計
  • 気象情報
  • イベントスケジュール
  • 施設見学の募集
  • 会報 米峰
  • クラブのご案内
  • 会員限定アルバム マリーナ写真館
  • 柏崎マリーナの動画をご紹介します
  • 柏崎マリーナfacebook
  • 柏崎マリーナtwitter